稜はさっきより少し間を空けて私の隣に座り、黙ったままでいる。

友哉が顔を上げて、私の顔をジッと見ている。



「お前、泣いてたの?」

「..........。」

「何かあった?」

「.......何でもない。先、帰る。」



ただならぬ雰囲気を感じとったのか、弟が急に追及し始めるから、逃げるようにリビングを出てしまった。



何て言えばいいのよ。

全くデリカシーのない奴。

私だってまだ混乱しているのに、いちいち聞かないでよ。



残して来た稜には悪いけど、今の私にはこれ以上の許容量は無理。

早く一人になって、グチャグチャになった気持ちを整理したい..........