中に入るとまだダンボールのままの荷物もたくさんあったけど、家具や大まかな電化用品はだいたい運びこまれていて、何とか生活を始められそうな空間が出来上がっていた。

元の家に遊びに行った時、目にしたことがある黒っぽい家具やファブリックも、センス良く配置されている。



「時間が無くてほとんど元の家から持って来たものだから、まだまだこれからなんだけど。」

「でも、何か航佑っぽい部屋だなって思う。」

「そう?」

「落ち着いた色味で、センスいいし。」

「じゃ、そこに少しずつ心優っぽさを足して行こう。この部屋は、二人で過ごすための部屋だから。」

「.......うん。そうだね。」