待ち合わせの場所に現れた航佑の嬉しそうな顔を見たら、一瞬で身体中の余分な力が抜けて行くのを感じた。

何となく沈んでいた心が、それだけで温まり始める。



航佑と腕を組み、ピッタリ寄り添って歩いていると、身体中にジワジワと安堵感が広がっていく。

私が愛しているのは航佑。

その気持ちを確信させてくれる。



私が、今一番してはいけないことは、航佑を悲しませること。

航佑だけでなく、稜の気持ちまで裏切ることになるから。



二人分の思いを込め、航佑を精いっぱい愛すること、そして幸せになること。

間違いなく、それが私のするべきこと。

恐らく、自分でも望んでいること。

そう、自分に言い聞かせる。