ホテルの高層階から見降ろすと、さっきまで見上げていた大きなツリーも豆粒みたいに見える。

ツリーまで続くうねった坂道の道沿いを、隙間なく埋め尽くすイルミネーションが、くっきりと光の道を浮かび上がらせている。



レストランで飲んだワインが廻ってきたのか、カラダがフワフワして気持ちがいい。

ぼんやりと窓の外を眺める私を、航佑が後ろから覆いかぶさるように抱きしめた。



一緒にシャワーを浴びたから、二人とも同じ石鹸の匂い..........

バスルームでの甘いひと時を思うと、何てことはないシトラス系の香りにさえ、幸せを感じてしまう。

こういう小さな幸せの積み重ねが、これから航佑への愛を、もっと深めてくれるに違いない。