航佑が私を抱きしめる強さが、少しずつ強くなっていく。

言葉は無くても、なんて言いたいのか伝わってくる。



私も同じ気持ちだよ。

だから、もうそんなに切ない顔しないで.........



「ねぇ、航佑.......そんなにギュってしたら痛いよ。」

「痛い?」

「うん。」

「じゃあ、もっとギューっとしちゃおう。」

「意地悪。」

「俺、意地悪だもん。」



航佑は、一瞬だけわざとギュッと腕に強く力を込めてから緩め、イタズラが成功した子供みたいな笑顔を見せた。



そう、私が今一番欲しいのはこの笑顔。

大丈夫。

間違ってなんかない。

航佑となら、幸せになれる........