五才の時、初めてキスした場所で、同じ相手としたキスは、胸が張り裂けそうに切なくて、何を言えばいいのかわからなくて、ただただ涙が溢れるばかりで........

私はぎゅ〜っと稜の胸に抱きついて、泣き続けることしかできなかった。



「ごめんね......稜。」

「謝ることじゃないだろ。」

「.......だって。」

「そんなに泣くなよ。俺さ、お前には、いつも笑っててほしいんだ.......。」



陵の腕の中はとても暖かくて、優しくて、やっぱりすごく落ち着いた。

しっかり抱きしめてくれた陵の手は、もう小さい男の子の手じゃなく、大人の男の人の手で、いつまでも思い出にしがみついていてはいけないと、無言で教えてくれているような気がした。



どれくらい、そうしていたのだろう。

真冬の誰もいない公園で、稜に抱きしめられたまま、涙が枯れるまで泣いて、泣いて、泣いて.........

私の長い長い初恋は、終わった。