「自分で約束しといて、何年も無駄にしちゃってたんだから、俺ってほんとダメな奴だな。お前はずっとそばにいてくれたのに。」

「ううん。いつまでも意地張ってた私も悪い.....から.....。」



言い終わる前に、腕が肩に回され、あまり背の高くない稜と顔がくっつきそうになるくらい、ピッタリと抱き寄せられた。

え........稜?

顔を見られない。目も合わせられない。

ドキドキが急加速して行く中、少しの沈黙の後、稜がつぶやいた。



「でも、もう終わりにするから.......。」



次の瞬間、反対の手が私の髪を掻きあげ、そのまま頭を包み込み、陵の唇がそっと触れた........



「.....これで、おしまい。」

「稜?」

「俺たち、ただの幼なじみに戻れるかな.......。」