そんなことをぼんやりと思い出しながら、公園の中をゆっくり歩いた。

稜も懐かしむように、公園の中の景色を見渡しながら歩いている。

まるで今までに二人の間にあった出来事の、一つ一つを噛みしめるように。



噴水の広場の近くまで辿り着くと、稜が立ち止まり、嬉しそうに私の顔を覗きこんだ。



「乗るか?」

「え?」



指を刺した先には、ブランコがあった。

乗る順番でよく友哉とケンカした、思い出のブランコだ。



返事をする前に、稜はブランコの方へ向かって歩き出した。

言われるままブランコを漕いで、小さく揺れていたら、子供の頃の陵の得意げな笑顔が浮かんできて、何だか温かい気持ちになった。