昼餉が済むと、早速清明は透理に稽古を付け始めた。
透理は動き易いように着物から水干姿になっている。


「じゃ、まずは呼吸法からね」

「はーい」


訓練次第で外出出来るとなって、透理のやる気は十分だった。


が。

ーー 30分後。


「ぅだぁーーーっ」


透理は息も絶え絶えに、転がった。


きつい。…なんてもんじゃない。


吸って吐いての行為を意識的に行うことが、こんなにしんどいなんて聞いてない。


「おやおや。もう音を上げるのかい?」


同じ時間、同じことをしているのに、清明はけろりとしているのが無性に腹立たしい。


「くっそぉー。絶対完璧にこなしてやる」

「そ?じゃあ、もう少し頑張ろうか」


にやにやと面白そうに、大の字に転がったこちらを見下ろす清明に、透理の負けず嫌いがメラメラと燃え上がる。