最寄り駅に着くと、私は急いで電車から出る…。



そして…私は外の空気を思いっきり肺に送り込んだ。




むせていた咳はなんとか落ち着き…

震える足をなんとか前に出した。









どうにか家に着き、ポスト確認をする…。



毎日のことだけど…目に焼き付いて離れないポツンと置いてあった指輪の光景を思い出してしまう…。



その指輪は…まだ私の左手の薬指にはめたまま…。



私が買ったものだけど…少しの時間、この指輪は亮太の手元にあった…


そう思うだけで…余計にこの指輪に愛着を感じ…


外せなくなった。







私は部屋に戻ると、匂いを消し去りたいのと…
少し、冷静になりたかったから…

すぐにシャワーを浴びた。





バスルームから出ると…シャンプーの匂いに包まれて…少し落ち着きを取り戻したかに思えた。



だけど…


鞄の中のチラシを手に取ると、さっき溢れそうなった熱いものを抑えることができなかった。