…これって…
そのチラシは、亮太が所属する劇団の公演のチラシ…
どうして…?
必死に亮太に会いたい気持ちを抑えているのに…
どうして神様は余計に会いたくなることをするんだろう…。
神様は…どうして私にこんな辛い思いをさせるの?
酷いよ…。
溢れそうな熱いものを必死に堪える…。
私はそのチラシをぐちゃぐちゃにならないように、鞄の中にそっとしまった。
そして、また足早に駅に向かった。
電車に乗ってからも…
込み上げてくる切ない気持ちを抑えられず…
何度も鞄からチラシを取り出しては、眺めている。
亮太の名前を見ただけで…
私の胸はドキドキして…締め付けられて…
苦しくて…
上手く息ができない…。
落ち着けとばかりに…
満員に近い車内で…大きく息を吸ってみるけど…
ただむせるだけで…
逆効果だった。