そんな翼さんとは対照的に…俺はひどく冷めきっていて…
『そうですか…。気に入っていただけて良かった…。ところで…あの方が翼さんの恋人なんですか?』
『あっ…いえ…。あの人は、会社の同期の人で…。』
言いずらそうに…頭を掻いていた。
…同期の人だぁ?
なんだよ、それ…
俺はカッとなり…つい口走った…。
『理夜は?』
って…。
その瞬間、慌てて手で口を塞ぐ。
でも、もう遅い…。
翼さんは、
『理夜?』
眉を潜めて…俺を見つめていた。
そして、少し沈黙の後…
『理夜と知り合いなんですか?』
翼さんは少し動揺しつつも、聞いてくる。
『いや…あの…知り合いというか…』
しどろもどろになった俺に…
翼さんは…急にニコッと笑って、何かを悟ったようだった。