翼さんがバーから出た後、
俺は一つ大きくため息をついた。



そんな俺に、マスターは、

『何を企んでるんだ?!』

ニヤッと笑った。


『…いや…別に…。』


グラスに入ったカクテルを一気に流し込んだ。



『もう少し、飲んでいくのか?』

マスターの一言に、


『久しぶりだしな…。マスターも見に来てくれよ…。』

俺は、マスターにもチケットを渡した。


『言われなくても…』

マスターはチケットを受け取り、そのまま懐へ…。


それを見た俺はすかさず、

『…毎度あり…!』

ニヤッと笑って手を差し出した…。


マスターはヤレヤルといった顔で…


『わかったよ…。今日は奢りな…。好きなだけ飲んでけよ!』


俺の差し出した手を叩いた。



『さすが、マスター!遠慮なく、オカワリ!』


グラスをマスターに差し出した。




マスターは苦笑いをしつつ…黙って俺の好きなカクテルを作り始めた。