『最近来なかったですね。お仕事忙しかったんですか?』
『あぁ…仕事ではなくて、劇団のほうが忙しくて…。来週舞台が始まるんですよ!』
『そうだったんですか…。じゃあ、見に行ってみようかな〜。』
『もちろんです!高岡さんを誘おうかと思って、チケット持ってきたんです。』
俺は…
計画を実行に移す。
翼さんに二枚のチケットを渡した。
『あれ?二枚?』
『あ…もしよろしかったら…高岡さんの恋人と一緒に見に来てくれませんか?』
俺の胸は必要以上にドキドキ高鳴っていた。
俺の計画は…
翼さんと一緒だとしても…
理夜に俺を見てほしかった…。
だから…翼さんを利用して、理夜を連れてきてもらおうとしたんだ。
必死に緊張を隠す…。
『あー…はい。ありがとうございます。あの、いくらですか?』
翼さんは少し戸惑っている様子だった。