『翼さんはいつも一人ですけど恋人とは、ここに来ないんですか?』


理夜がここに来たら、どうなるかわかっているくせに、こんな質問をしてみた。

だけど、翼さんは少し苦笑いをして、

『ここは…一人でしか来ません。ちょっと前まで、柄にもなくクラブ遊びにハマっちゃいまして…。色々あって、こうして一人で飲む方がいいって気付いたんですよ。』



遠い目をしていた…。



…色々ってなんだろう…


でも深く突っ込めるほど仲がいいわけではなく…聞けなかった。




俺は、理夜と鉢合わせすることがないことに安堵しつつ…

心の隅っこでは、理夜に会えないことにがっかりしている…。



翼さんとこうして会うということは、理夜のことを忘れられないということなのに…


少しでも理夜を感じていたくて…


翼さんを利用してる…。



理夜が幸せだって…わかれば…


諦められるって思っていたのに…ますます会いたくなっている…。




俺は…重症かも…。