それから、翼さんはよくこの店に来るようになった。
だから…ほぼ毎日来ている俺の隣に翼さんはいた。



クールな趣のある翼さんだけど…

実際は人当たりがよく…


最初は理夜のことがある俺は、翼さんに戸惑い…避けていたけど…


段々と翼さんの人懐っこさに…心開いていき…



こうして何度も会う内に、翼さんと俺は仲良くなっていった。


翼さんは話を引き出すのが上手く…


俺のあらゆることを聞いてきて…

多分、理夜も知らないことまで話していたと思う。


だけど…恋人の有無を聞かれたときだけは、上手く交わした。


なんだか…理夜と幸せな翼さんには、今俺が必死で愛しい人を忘れようとしていることを知られたくなかった。


なのに、仲良くなっていくと同士に…俺はなぜか…翼さんから理夜の話を聞き出そうとしている。



だけど…翼さんからは決して理夜の話が出てくることはなかった。