理夜から連絡を絶たれて…4ヶ月が過ぎた。
ここのところ、毎日のようにバーに来るようになった。
今日も一人で飲んでいる。
そんな時だった…。
俺の横にスーツ姿の男の人が現れ、
『隣、大丈夫ですか?』
尋ねてくる。
辺りを見回すと、今日のバーは人が沢山溢れていて…
席があまりなかった。
『あっ…どうぞ…。』
そう言って、スーツ姿の男の人を見上げると…
そこにいたのは…
翼さんだった。
…なんでここに……?
俺の酔いが一気に冷める…。
『あっ…』
ついポロッと出た言葉に…
『あぁ…この前の…』
翼さんも俺を思い出したようだった。
『先程はありがとうございました。』
無難に挨拶をすると、
『すごいですね!いちいちお客の顔、覚えているなんて…。』
翼さんは席に着きながら優しい笑顔を向けていた。