…俺…、変じゃなかったよな…?
とりあえず、このマンションから立ち去ろう…
そんな思いがそうさせたのか…
夢中で階段を駆け降り…あっという間に下に着いていた。
無意識にさっきまでいた翼さんの階を見上げている。
…もしかしたら…
ここが理夜と翼さんの新居だったのか…?
そうだとしたら…俺の痕跡を残してしまって…
理夜は、動揺したりしないだろうか…
こんなことがあるなんて…
世間は…狭い……。
翼さんと会ってしまったことと、翼さんと理夜の新居であろう部屋を知ってしまったショックで…
俺はまた今日も…浴びるようにお酒を飲みまくった。
どうやって帰ったかさえもわからないほど飲んでいた。
でも、飲めば飲むほど…
理夜を思いだし…
切なくて…苦しくて…
込み上げてくるものをなんとか飲み込もうと…
更にお酒を流し込んだ…。
理夜…
会いたいんだ……。