『ち…ちょっと待ってね…』

携帯片手に、インターホンの受話器を取る…


『…来ちゃいました…。』

携帯から…インターホンから…

二重音声のように…

少し申し訳なさそうな新聞屋さんの声が聞こえた…




更に…私の胸はびっくりするくらい音をたててドキドキしていた…



何も言わず…というより…
何も言えず…恐る恐る玄関のドアを開けると…



頭を下げたままの…新聞屋さんが立っていた。



鎮まることのない私の胸のドキドキ…



髪は黒くてサラサラ…
思わず…触れたくなる…

背はそんなに高くなさそう…

だけど…スラッとした出で立ち…



『すいません…来ちゃいました。伊藤と申します!』

頭を上げた瞬間…