「今度はずっとそばにいるために、一時別れるっか」
ふと海斗との会話を思い出していたしるふは、今がそれだな、と一人納得する
決して不安にならない一年ではない
けれど、その先にある未来を掴むために
もう二度と手を離さないために
たった一瞬別れる
海斗がその会話を覚えていてこのオルゴールを送って来たのか
それともただ単にしるふが好きな曲だからなのかはわからない
それでもその小さな気遣いが、うれしい
「ホント、敵わないな」
苦笑交じりにつぶやいてしるふはカバンから携帯を取り出す
秘密のボックスに入っている名前はただ一人
そっと発信ボタンを押し、静かに繰り返されるコール音を聞く
突如として途切れるコール音の後に響くのは、愛しい声
「もしもし」
「やほ、海斗。今大丈夫?」
そっけない声にだってうれしさを覚えられるなら、あと数か月くらい待っていられる
「ああ。どうした?」
すでに家にいるのだろうか、背後からお湯の沸く音がする
「ああ、どうしたじゃないよ。今日クリスマスだよ?」
ふと海斗との会話を思い出していたしるふは、今がそれだな、と一人納得する
決して不安にならない一年ではない
けれど、その先にある未来を掴むために
もう二度と手を離さないために
たった一瞬別れる
海斗がその会話を覚えていてこのオルゴールを送って来たのか
それともただ単にしるふが好きな曲だからなのかはわからない
それでもその小さな気遣いが、うれしい
「ホント、敵わないな」
苦笑交じりにつぶやいてしるふはカバンから携帯を取り出す
秘密のボックスに入っている名前はただ一人
そっと発信ボタンを押し、静かに繰り返されるコール音を聞く
突如として途切れるコール音の後に響くのは、愛しい声
「もしもし」
「やほ、海斗。今大丈夫?」
そっけない声にだってうれしさを覚えられるなら、あと数か月くらい待っていられる
「ああ。どうした?」
すでに家にいるのだろうか、背後からお湯の沸く音がする
「ああ、どうしたじゃないよ。今日クリスマスだよ?」