またいつか必ず巡りあうことを信じて、桜舞う街でずっとずっと待っている

果たして彼らは逢えたのだろうか

ーどう思う?海斗

海斗のマンションでピアノのイントロに耳を澄ませながら、しるふは隣にいた海斗に尋ねた

最後の歌詞は、どちらとも取れる

もし、逢えたら…と願い、そしてその手を離さないと誓っているのか

本当に逢えたから、だからもうその手を離しはしないと心に刻んでいるのか

どちらなのだろう

ーしるふは?

ー私が聞いたのに。…私は、最後に逢えたんだと思う。それでずっと一緒にいたんだと思う

ーじゃあ、俺はその過程だな

ーどういうこと?

ー遠い記憶って言ってるくらいだから約束してその次の年に逢えましたっていうわけじゃないだろう?だからその過程

ー待っている途中ってこと?

ーそ

ーじゃあ、いつか逢える?

ーもちろん。いつかまた逢ったときに、今度はずっとそばにいるために一時別れたのかもしれない

ーそか。それはそれでいい解釈かも知れない

ふんふんと頷くしるふに海斗が笑いかけた