【実話】ありえない男への復讐

「まぁ、これからしばらく里美が拓也とメールして、また志穂がちょこちょこ会うって感じでいくしかないんやないん??」


ウィルが言うた。


「ちょい待ち!!交代交代でしようや!!わたしかて拓也と毎日メールするのキツイわ。」


焦って言うけどみんな却下。

言いだしっぺはお前やろって。

千尋ちゃんが言いだしっぺなのに千尋ちゃんやって言う。

ありえん。


しょうがないからわたしがメールすることに。

そんなときまたメールが届く。


「えーと…《そうやな。ごめんな、博美のこと考えてへんかった。これからはメールで我慢するで会える日わかったら教えてな。》やって。」


わたしはもう呆然とした。

あいつほんまベタ惚れちゃうやろか。

志穂はほんま外見綺麗やし、しょうがないんやけどなんかここまでしたら…


「おもしろくなってきたなー!!!」

可哀想かもと思ったとたん言う洋介くん。

あんだけ可愛がってると思ってたのに洋介くんはおもしろがっとる。

鬼や。ほんまに鬼や。

ほんまに陥れようとしとる。


「さ、里美はよ返事せー!!」


千尋ちゃんもノリノリ。

きっとこの人たちは可哀想とはみじんたりとも思ってへん。


「人生うまくいくもんやないってわからせなあかんって、あいつには。俺かて相当やられとんねん。」


隼人くんが言う。


「え?隼人くんかてやられとるん??」

あんま関わりないかて思ってた隼人くんの言葉に驚いてわたしは聞いた。


「そやで?あいつ俺の性格が悪いから女と長続きせーへん言うた。」


みんなシーン…。

だってそれはみんな思ってることやから。

それは拓也以外やって隼人くんに言うとるやん。


「なんや、お前ら…拓也の味方なんか!!」


隼人くんの言葉にうちらは呆れたように笑いながら


「それは違うで…でも拓也の言うことは正論や。」


って言うた。
隼人くんは毎回ほんま酷い。

うちらには普通なんやけど彼女となればおかしい。


会いたい言うたって


「自分が会いたいなら自分で来いや。俺はどうだってええんやから。」


って言う。

まぁこれは全然ええほう。


一緒に歩いとって普通に


「お前あの子見習って痩せろや。このデブが。」


って普通に暴言吐く。

正直拓也とあんま変わらへん。


わたしが1番驚いたんは、うちに彼女と来とってそのとき紹介した言葉が


「養豚場出荷前みたいなコイツが一応今んとこおれの女。」


ツッコミどころが満載すぎて苦笑いやった。

実際太ってへんしなんでそんな言うんかわからんかった。

確かにわたしは細い。

千尋ちゃんかて梢ちゃんかて志穂かて細い。


でもそんときの彼女は普通体系。

紹介される子がほんま細い子ばっかできっと自信なくしていったやろう。

毎日毎日毎日毎日ブタと言われ続けてへこみまくとったやろう。


当然辛くなって別れるわな。


性格、悪いわな。

そこは拓也の言うとおりやねん。

わたしは拓也に返事をした。


《わかったらええよ。ならまた今度。つーか拓也は明らかにヤリ目的じゃなかったん?絶対せーへんけどな。》


わたしの疑問を入れてみた。

明らかに下ネタばっかり言う拓也。

ヤリたいだけやったんやないかなって。


したらすぐ返事が届いた。


《最初はな。ゴメン。でも今は博美が好きやからヤリ目なんかやないで!博美愛しとるから。》


わたしは大爆笑してしまった。


「でもちょっと可哀想かなぁ?」

猛が言うた。

猛もそう思い始めてたのね!!

ちょっと嬉しくなったら


「可哀想なんて感情は捨て!!」

千尋ちゃんが一蹴した。


きっと洋介くん、隼人くん、千尋ちゃんは可哀想だなんて少しも思ってへん。


わたしはみんなの声を聞きながら返事を。


《まだ一度しか会うてへんのに愛してるとかウザイ。》


もう徹底的にドSキャラになることにした。
ここからはメールの内容をお楽しみください。

拓也とは毎日メールをしとったからそれを載せます。



拓《ゴメン、でもほんま一目惚れやったから。気強い女ほんま好きやし。》

一目ぼれとかまじキモイですから。


博《気弱い男は嫌いやわ。》


女王様より強い人はあんまおらんやろうけど。


拓《俺、弱くないで。》

どうでもええ。

博《へぇ。》


このへんからめんどくさくてそっけなく返しとった。


拓《博美は俺のこと好きになりそう?》

どんな質問やねん。

ほんまウザいやつやな。

こんな奴に本当に好かれたらたまらんわ。


博《今は0%やな。》


ついつい憎さがこもって冷たくしてしまうわたし。

1%とでも入れたくない。


拓《ガーン。でも頑張る!!》


ガーンなんて使うやつあんまおらんで。

タメなのにやめてほしいわ。


博《どうぞご勝手に。》

やっぱり冷たくなってしまうわたし。

拓《博美は最近いつエッチした?》

でたエロメ!!

こいつほんま好きやなぁ…。

しょうがない、ちょっとのってやるか。


博《言うて思っとるん??》


まずはそっけなく。

これでもアイツならのってくる。


拓《俺は2週間前くらいやで。》


やっぱり…。

しかも聞いてへんしな。

言いたがりな奴や。


博《へぇ。出会い系の子と??》


絶対そうやと思うけどわざと聞いてみる。

なんかしゃべってくれそうやし。


拓《そう。博美のほうが何倍も可愛ええけどな。でも博美がおるしもうサイトせーへんから。》

べつにしてええのに。

こんな毎日メール送られたらキツーしてたまらんわ。

でもちょっと聞きたいことあるし、入れてみよ。


博《何人くらい今まで会ったん??》


出会い系でどんくらい会えるんか聞いてみたかった。

わたしには未知の世界やし。


拓《20人くらいやないかな。博美は?》

うわぁ~って心底おどろいた。

そんな女の子も会うんかぁって。



博《わたしは拓也が初めてや。》

そりゃ~そうやな。

なんせ出会い系がはじめてやもん。


拓《じゃあ俺だけしか会わんとってな。博美ももうスタビせんでほしいねん。》

なんかだんだん彼氏面されてウザくなってきた。

なんやねん…この状態。


博《暇じゃないからもうせーへんよ。》

ま、一応のってみました。

ほんまにする気はないしな。


拓《大好きやで》

携帯を投げたくなったのは言うまでもありませんね。

博《キモイ》

ついつい本音が出てしまいました。
拓也からのメールは相当続く。

返事がめんどくて相当時間たって返事とかしとったけど減る傾向は一向になかった。


「あの~めんどいんすけど。」

洋介くんに電話で言うても


「はぁ?ヤるっつったのはお前だろ。責任とれ。」


といわれる始末。

やるとは言った…のかな??

あぁ~めんどい…。

いやにだんだんなってきた。



拓《会いたいな~。何してるんかな~。》


こんなメールはしょっちゅう。

うぜぇ、まじで…。


「まだ拓也くんとメールしとるん?やめたりーな、可哀想やって。」


横から翔太が口出ししてきた。


「そやかて洋介くんがやめたらあかん言うし。翔太にもブラックメールしたらかかったやろか??」


ニヤけながら聞くと


「かかるか、アホが。」


と言われた。

それはかかった拓也がアホいうことやな。

正論や。


博《今忙しい。》


一言返した。

こんなメールに返事する拓也が必死やってほんま痛感。

わたしならこんな冷たいメールに返事なんてせーへんもん。


拓《いつ忙しくなくなるん??電話したい。》


こんな風にまいてもまいてもかかってくる。

頭悪いな。
博《電話?壊れとって通話できひんねん。お金ないし修理も出来ひん。》


電話なんてしたらバレますから。

志穂がおるときにかけたるか。

志穂は嫌がりそうやけど。


拓《俺が新しい携帯買ったろうか??》


このメールには心底驚いた。

拓也はドがつくくらいのケチ。

あいつ1円単位の割り勘野郎やし、あわよくば奢ってもらおうといつも必死。

そんな拓也が…


「無料の機種なんやないの??」

翔太に話すとそう言われた。

…ありえる。


博《無料のなんでしょ?どうせ。わたしが欲しいの2万だもん。》


そう入れてみた。

返事が待ち遠しい。


拓《2万…Σ((0Д0|||》


なんやねんこの変な顔文字は。

ふれてこん言うことはやっぱそうやったんや。

さすがドケチ。

気前ええフリして金は使わへんつもりやな。
こんな一言なメールに返すほどわたしは暇やない。

シカトしとったら拓也からまたメールが。


拓《2万は無理や。ごめんな。》


わかっとるわ!!

って思わずツッコミ入れたくなった。

いらん携帯代になるしな。


博《別にこの携帯でええし。修理もうすぐするから。》


修理したって言うて志穂と話させてやろうて思った。

もっと本気にするために。

そうだ、ちょっと好きになってきたってことにしようかな??

あいつを調子にのらせたろう。

いつのまにかわたしにも可哀想という感情は消えとった。


拓《修理したらいっぱい電話しような。》


あ~それは困る。

電話作戦はなしやな。



「バレるやろか??わたしが電話出たら。」

一応隼人くんに相談してみた。

ちょうど隼人くんから電話かかってきたから。

もちろん拓也とのメールの進み具合についてやけど。


「バレへんのちゃう?俺やってお前やない奴がお前の携帯出たらわからへんて思うで??」


えぇ…そこはわかってほしいんやけど…。

そう思いながら


「なら電話してみるわ。似とる言われてもへぇ~。ってゴマかせばええしな。」


「そやな。」


こんなことからわたしが拓也と電話をすることに。

この前の内容はだいたい頭に入っとるから大丈夫やろう。

志穂と声質も結構似とるし。


博《明日修理してくるから電話してな。》


ってメールしといた。

さて、ケチな拓也がかけてくるやろうか。

それがわたしは楽しみやった。