【実話】ありえない男への復讐

【ごめんなさい、許してください。怒ってる?】


最初に博美ちゃんが赤ちゃん言葉入れたのになぜこんな謝るのか理解不能。

ほんまドMやったんや…。



【拓也が会ったときにブサイクじゃなかったら許す。】


まじ上から目線の洋介くん。

…会う?

誰が??


「なぁ、どういう意味?会うん??誰が??」


「さぁ、ノープラン♪」


洋介くんはいつも適当。

どうにかなるやろ。って人です。


ま、洋介くんの友達の女の子でも使ってするんやろうなと思ってた。

でも洋介くんはこのとき違うことを考えてた。

まさか…あいつを使うなんて…。



【ブサイクじゃないよ。早く会いたいな。いつ会える?】


そういえば拓也の顔を見るのを忘れとった。

絶対笑顔やろう。


そのとき、水道が止まった。

こっちに来るやろうから急いで携帯を隠すわたしたち。


「あとは適当にやっとけよ。会う日、俺が指定するから。」


コソッと洋介くんは言う。


「うはっ、楽しみやな。それ。」


わたしたちはニヤニヤニヤニヤしとった。



そしてめんどくさくてわたしは拓也へこの日メールはしなかった。

次の日メールが


【なぁ、いつ会う?】

とか来たけど洋介くんの日にち指定までシカトすることにした。


でも日にち指定はその次の日に来た。
「あ、拓也と博美が会うのな、月曜の8時聞いてみて。」


洋介くんから電話でそう言われた。

さすが洋介くん、美容師のアシスタントって入れてたから美容室が休みの月曜を選んだんや。

すごい。

見直した。


それを誉めるととんでもないことを言われた。


「あ、そういやそうやったな。いや、月曜が志穂がええって言うからな。」


…志穂??


「志穂が…博美??」


「だって美人使うほうがええやん。ドSやし。面識ないしええやろ。」



志穂が…うまくやれるんやろか…いや、やれるな、あいつなら。

しかも志穂はノリノリでOKしたらしい。


「1回やってみたかったんよ。って言うとったで。」


洋介くんの言葉。

確かに志穂ならやりたがりそうで納得した。


そしてその夜志穂からも電話が来て志穂は楽しみやって言うとった。


そのことを伝えるために拓也にメールをした。



【今度の月曜の8時とか無理?】


いきなり入れた。

シカトしてごめんね。なんて博美ちゃんには似合わない。



1分後くらいに返事は来た。

あいつ常に携帯握り締めとるんやろう。



【無理じゃない。遊ぼう遊ぼう。会いたいな。何するん??】


拓也のメールを入れる顔が思い浮かぶ。

想像するだけでキモかった。
【任せるわ。8時に○○駅集合な。遅刻したら殺すで。】


淡々と入れた。

だってこれ以上コイツとメールなんてしたくない。

横から翔太もやめろやめろ言うてくるし。



【ほぉ~い♪ドライブにでもしような。】


ドライブにでもって何やねん。

アホや。

写メ交換を要求されたけど志穂の写メが悪用されたらたまらんしもちろん拒否った。



そしてこのことを千尋ちゃんにも伝えておいた。

なんと月曜はスナックの店休日。

千尋ちゃんは尾行しようと言った。

わたしはハナから尾行するつもりやったしもちろんオッケーをした。


そして猛とウィルも誘った。

何かあったら志穂を助けるんがいるから。

猛は志穂から聞いとってもちろんそのつもりやったって言うとった。

ウィルは仲間に入れろ入れろって楽しそうに言うとった。

2人とも拓也と面識ないくせに。



翔太に言って月曜日、わたしたちは探偵のように尾行することを決めた。
拓也からのメールを一切シカトした。



【博美どうしちゃったのぉ~】


とか来るからめんどくさくて


【月曜日遊ぶからいいじゃん。忙しいからメールしないで。】


ドS全開を出した。


【えぇ~…わかった。また月曜日ね。】


いい加減キモい。

あいつわたしには暴言ばっか吐くくせに。


志穂様にこらしめてもらおうと思った。




そして月曜日。

7時半。


志穂、ウィル、猛、千尋ちゃん、洋介くん、隼人くん、わたしというメンバーが集合した。

みんなほんま暇人や。

早退までして来た隼人くん。

ありえん。

洋介くんに拓也は今日用事あるから家事でけへんって嬉しそうに言うたらしい。

洋介くんは笑いこらえるのに必死やったって言うとった。



「頑張るんやで!!何かされたらすぐ電話するんやで!!ブッ殺すからな。」


千尋ちゃんが志穂に言うた。


「大丈夫です。わたしも殴りますし。元からドSなんで大丈夫ですよ。いじめてきます。」


志穂は余裕そうな表情やった。


そして50分くらいに駅に立った。

ウィルコムの携帯を持って。

しこみは完璧。

内容を全部教えとる。



きっとうまくやれる。

志穂やから。


そのとき見つけた、拓也の姿。


キョロキョロして思いっきり挙動不審でキモすぎる。
志穂に拓也の写メを見せとったし、多分気付いてる。

志穂は拓也のほうをジッと見てたから。

そして志穂は携帯を見つめて拓也のほうへ歩き、話しかけた。

そして移動する2人。

拓也の車に乗り込んで出発したからわたしらも移動した。

ウィルの車に6人も乗り込んで…。

6人乗れないってことを忘れとった。

隼人くんとかの車は知られとるから使えへんし。

ギュウギュウになって乗った。



(ここからは志穂から聞いた話を書いていきます。)



「博美…めっちゃ可愛いな。」


「拓也はほんま普通やな。」


志穂はずっと冷めた感じで話しよったらしい。

車は行くあてがないんやろう。

道ばっか走っとった。

渋滞ひどいのに。


「博美彼氏いらんの??」


「欲しいけど拓也は嫌やわ。」


「なんで!?」


「タイプじゃない。」


そう言うと拓也は相当落ち込んだらしい。

志穂は昔からズケズケ言うタイプ。

きっと素やろうな。



「博美に好かれるよう俺磨くわ。ほんまに一目惚れした!!」


「ええ迷惑や。」


こんな会話をしとったらしい。

そしてトンカツ屋さんに車が入った。


「トンカツ食べたい。」


って志穂が言うたらしい。
トンカツ屋に入った志穂と拓也。

さすがにわたしらは入れない。

そこで潜入部隊を送る。

もちろん拓也が知らないウィルと猛。


実際この2人が歩くとほんま目立つ。

正直言うてほんまに男前やから。

使いたくないけどしょうがない。


猛とウィルは志穂らの隣の席に座れたらしい。

志穂が笑いそうなっとったらしい。



「博美は実家?一人暮らし?」

志穂は猛と同棲しとる。


「一人暮らしやけど。拓也は?」


「俺は友達と一緒に住んどる。」


「ルームシェアってやつやな。」


志穂は居候やって知ってるけどわざと言うた。


「ルームシュア?わからんけどそんな感じや。」


そう言うとったらしい。

笑いこらえとったって言うとった。


「なぁ、博美の家行ったらあかん??」


「バカやろ。だめに決まっとる。死んでしまえ。」


志穂の暴言に拓也はシュンとしとったらしい。

わたしが言うたらいつも言い返すのにほんまドM。

わたしらには強がっとるんやろうな。

志穂は聞いてたキャラと違いすぎて笑いこらえるの必死だったらしい。



「じゃあラブホは!?2人っきりになりたいねん。」


「厨房から包丁持って来るわ。」


そう言って立ち上がるフリをしたら拓也が冗談とか言うて止めたらしい。
「なぁ、博美は俺のことどう思う??」


トンカツを食べながらまじまじと聞いてきたらしい。


「普通。」


拓也を見らず淡々と志穂は答えると


「普通なら付き合ってくれるん??」


とすごくプラス思考なことを言うたらしい。


「その単純な頭の作り、粉々にしたろーか??」


また拓也を見らずに志穂が言うと黙ったらしい。


そして割り勘勘定をしてトンカツ屋を出てまた車に乗る志穂。

猛は心配しとったけど志穂の圧倒的な押しに安心したって言うた。


基本、うちらは全員単純やから。



「博美は最近いつヤッた??」


「言うと思ってるん??」


拓也は散々質問してきたらしいけど志穂は全部教えんかったらしい。

そしてトンカツの後に帰りたいて言うてまた駅で志穂は降りた。


無事に降りてきた志穂を見て全員実はホッとした。

拓也が何かするとは思わなかったけど一応密室やったしな。



そのあとはみんなで会議。

柄の悪い集団でファミレスへ行き、大声で談笑。

いきがった奴らやってうちらが行くと目さえ合わさん。



「ちょろいな、拓也。」


志穂はサラッと言うた。

志穂は男の扱いの慣れは天下一品やし、拓也ごときにあたふたするとは思ってへんかったし、この言葉は予想の範囲内。


「手、出されんかったん??」

千尋ちゃんがニヤニヤして聞くと


「あいつほんまヘタレですね。指一本触れてけーへんかったですよ?」

って志穂は笑った。


猛も自分の彼女がこんなことしとるのに大爆笑。

ま、相手が拓也やから余裕なんやろうけど。

うちらやって張っとるし。


「さて、これからどうするか…やな。」


洋介くんが言うた。

うちらはほんまにノープラン。


そんなとき拓也からメールが届いた。

携帯を持ったままやった志穂が内容を読む。


「ブッ。《今日はほんまありがとな。博美のことほんまに好きになってしもた。いつ次は会えるん?来週の月曜は?明日の夜は?俺は博美のためやったら毎日何時でも時間あけるで。》やって…。」


それ見てみんなで大爆笑。


「あいつほんま必死やん!!」


隼人くんが笑う。

それに志穂が携帯片手に手を動かし返事を入れた。


「これ送るで。《お疲れ。次なんかわからん。拓也と違って忙しいんやから一緒にせんとって。》」


読むとみんなで笑う。


「志穂、ドSすぎや!!」

って。
「まぁ、これからしばらく里美が拓也とメールして、また志穂がちょこちょこ会うって感じでいくしかないんやないん??」


ウィルが言うた。


「ちょい待ち!!交代交代でしようや!!わたしかて拓也と毎日メールするのキツイわ。」


焦って言うけどみんな却下。

言いだしっぺはお前やろって。

千尋ちゃんが言いだしっぺなのに千尋ちゃんやって言う。

ありえん。


しょうがないからわたしがメールすることに。

そんなときまたメールが届く。


「えーと…《そうやな。ごめんな、博美のこと考えてへんかった。これからはメールで我慢するで会える日わかったら教えてな。》やって。」


わたしはもう呆然とした。

あいつほんまベタ惚れちゃうやろか。

志穂はほんま外見綺麗やし、しょうがないんやけどなんかここまでしたら…


「おもしろくなってきたなー!!!」

可哀想かもと思ったとたん言う洋介くん。

あんだけ可愛がってると思ってたのに洋介くんはおもしろがっとる。

鬼や。ほんまに鬼や。

ほんまに陥れようとしとる。


「さ、里美はよ返事せー!!」


千尋ちゃんもノリノリ。

きっとこの人たちは可哀想とはみじんたりとも思ってへん。


「人生うまくいくもんやないってわからせなあかんって、あいつには。俺かて相当やられとんねん。」


隼人くんが言う。


「え?隼人くんかてやられとるん??」

あんま関わりないかて思ってた隼人くんの言葉に驚いてわたしは聞いた。


「そやで?あいつ俺の性格が悪いから女と長続きせーへん言うた。」


みんなシーン…。

だってそれはみんな思ってることやから。

それは拓也以外やって隼人くんに言うとるやん。


「なんや、お前ら…拓也の味方なんか!!」


隼人くんの言葉にうちらは呆れたように笑いながら


「それは違うで…でも拓也の言うことは正論や。」


って言うた。