「絵画の意味はあまり語られず、人間どもは専ら『死ぬ前に口にしたい最後の食事』という意味で最後の晩餐という言葉を使うらしいが…」

トン、と。

来栖がワイングラスを食卓に置く。

「そういう意味では、今この朝食こそが貴様達にとっては『最後の朝餉』という事になるのだがな」

「「!!!!!」」

りせに続き、ヘヴンまでもが席を立つ。

いや、立たされた。

対面の来栖から放たれる禍々しいばかりの強烈な殺気によって、思わず腰を浮かしてしまったのだ。

周囲で睨んでいるリルチェッタやクレオ、アリカの殺気の比ではない。

その三人の殺気が掻き消されるほどの、吐き気を催さんばかりのドギツイ殺気だった。