あれから陽菜達に報告した。陽菜は勿論、貴大も雄大までもが喜んでくれた。

「良かったね、優那」
「うん」
「志摩くん」
「何ですか?竹本さん」
「ありがとうございます。志摩くんの言葉で、優那に想いを伝えることが出来ました」
「いえ。伝えたのは竹本さん自身ですよ」
「それでも、お礼がしたいんです」

嬉しそうに話す陽輝の手には懸賞で当てた遊園地のチケットがある。

「行きたい!行こうよ、貴大」
「優那はどうですか?」
「行きたいです。陽輝さん」

こうして遊園地でのダブルデートが実現した。

休日の遊園地はやはり混んでいる。
人気のアトラクションは並ばなければならないし、それ以外も多少は並ぶ。そんなことも苦ではなく、楽しいものになった。
ジェットコースター系やゴーカート、様々な乗り物に乗る。お昼を過ぎると、益々、気温が上がっていった。

「皆さん、アイスクリーム食べませんか?」
「いいですね。私、限定で」
「分かりました。志摩くん、一緒に行きましょう」

陽輝に誘われて、貴大も一緒に列に並んだ。気温が上がったこともあり、アイスクリームの列は長い。暫くして、限定のアイスクリームを持って二人は戻ってきた。

「んー。幸せ」
「美味しいですか?優那」
「はい」
「それは良かったです」

二人の甘々っぷりは陽菜達も驚かされる。
二人の恋は元々、公表出来るものではなかった。だからこそ、甘い日常がしたくなるのだろう。

アイスクリームを食べ終えると、お化け屋敷、観覧車に乗った。
この日の遊園地デートはデートらしいデート。二人っきりではないけれど、楽しいデートだった。