「君に渡したいものがあるんです」

そう言って渡されたのは筒状の箱。その中には……。

「卒業証書?」
「はい。君は僕への片思いを卒業して、僕の恋人に入学したんです」
「何ですか。それ」
「面白くなかったですか?」
「いえ。嬉しいです。恋人証明みたいで」
「良かったです。それでですね……」

その卒業証書には陽輝を[竹本さん]ではなく[陽輝]と呼ぶようにと書かれていた。

「呼んでくれませんか?」
「では……陽輝さんで」
「分かりました。でも、いつか取って下さいね、さんも」

そう言い、またキスをする。