そして、日曜日。
駅前で陽輝達を待っていると、陽南がやってくる。

「お姉ちゃん、お兄ちゃん。おはよう」
「おはよう。陽南ちゃん。竹本さんは?」
「ハル兄はあっちで待ってる。早く行こ」

陽南に連れられてきた先には一台の車。そこから顔を出したのは陽輝だ。

「乗って下さい」
「あ、はい」

陽輝の車でやってきたのはスイーツ&ケーキバイキングが有名なお店。中に入ると甘い匂いが漂っている。
陽南が楽しみにしていたケーキは勿論、スイーツやプリン、チョコレートファウンテン等、様々ある。甘い物が大好きな陽菜も目をキラキラさせている。優那自身も。

「どれも美味しそう。あ、苺のケーキだ」
陽南は幾つかのケーキを陽菜と優那はケーキとプリン、陽輝と貴大はケーキと和菓子を選んだ。
念願のケーキを口にして幸せそうな陽南。それを見て陽輝も笑みを浮かべ、嬉しそう。そんな陽輝の笑みが見られて優那も笑顔で陽輝を見つめる。

「美味しかった」
「沢山食べましたね、陽南」
「今まで食べれなかった分、沢山食べないと損でしょ。ハル兄」
「そうですね。皆さんもありがとうございます」

帰りの車内。念願のケーキが食べれて、テンションの高い陽南。

陽菜を相当気に入った陽南は後部座席で貴大との間に座っていた。
一方、助手席に座るのは優那。胸のドキドキが聞こえてしまうのではないかと思う程、緊張していた。