――でもどうやって防げば……?


「誰かが来る……」


カツーン、カツーンと近づいてくる靴音が聞こえる。静かすぎる廊下に、その音は大きく響いた。


「誰!?」


廊下を曲がってくる暗い人影、それは足元がおぼつかない絵恋さんだった。


「あら……霙ちゃんと霰ちゃん、来てくれたのね」


壁伝いに歩き、こちらへ向けた目線は、焦点が合っていなかった。


「大丈夫? お姉さん!」


「……信介さん。ご両親には報告してきたわ――あっ」