「……炎上か。

復讐したい相手は、それぞれ抱えているけれど、どこか――間違っているのかも知れないと、良心を残している人間もいるってことだ。

ウイルスキラーという男は、ほんの少しも善意を持ち合わせていないんだろうか――」


膝の上で、両手を力強くぎゅっと組んだ。


――俺は今まで神なんて信じたことはないけれど、今は信用してやるよ!!!! 


願いを今まで一度も叶えてくれなかっただろう? 俺の一生分の願いで手術を必ず成功させてくれ! 生き返れ! 戻ってこい秋雄!!!!


もう一度力を込めて握り締めると、涙の雫が、そこにポタリと一粒落ちた。


「……信介。気持ちは分かるけど、上位にいる人間は、それぞれ強い目的があると思う」


「あいつの信念は、怨みを晴らし金を手に入れる……説得するより阻止したほうが早い――きっとね」