「どちらにしろ表に出てきた以上、プライドの高いあの男なら諦めないような気がするわ……」


ブレザーの女は吐き捨てたように言うと、鋭い眼差しで辺りを見渡した。


目の前に座るセーラー服の女は、ポケットからスマートフォンを取り出し、スルスルと指先で使いこなしていた。


「おい、お前なにしているんだ?」


「ああ……これ? サイトに載せられた情報とチャットルームも確認しようと思って。上位者たちは、ここで会話のやり取りをすることもあるの」


――ああ。その他のカスじゃない方のルームか。


「霙、ウイルスキラーのアクセスはある?」