「……戦う? そうだ! 絵恋さんは!?」


「ご両親たちに、お兄さんの怪我を報告しに行ったみたい……はい、これは差し入れ。手術は時間が掛かるだろうから――」


ブレザーの女は、コンビニ袋を椅子の上に置いた。


「さすがに手術中は狙われないと思う。それにしても……嫌な男に目を付けられちゃったね」


セーラー服の女は目の前でしゃがみ、顔を覗き込んだ。


瞳は潤んでいるけれど、力強い視線。


目力だけで、しっかりしなさいと叱り付けているみたいだった。