「今度は秋雄の番だ。俺の背中を流せ。こんな機会は滅多にないからな」


「分かったよ。ほれ、これで良いだろう」


秋雄は丸まった背中を、タオルで擦った。優しい、柔らかなタオルだった。


「力を入れろよな、もっと!」


「そう言うなよ。タオルも俺に似て繊細なんだよ……信介、彼女はいないのか? 結婚はいいぞ~! お袋や親父も歳を食っているんだから、いつまでも脛を齧るなよ。早く所帯を持て」


「俺を追い出す気かよ! まだまだ出て行かないぜ!」


――というか、このまま俺はこいつを守っていかなきゃならんのか?


一人飛ばして次のターゲットへ、ってないのだろうか……。ああーやだやだ。