筋肉質な秋雄の逞しい背中を追うと、広々とした風呂場に入り込んだ。


ざっと見渡すと、多種のお風呂があり、露天風呂も色々な湯船がありそうだった。


掛け湯をし、まずは体を洗いに向かおうと、木目の椅子を取り、秋雄と並んで蛇口の前に座った。


「銭湯の水道って、ボタンを何度も押さないと、直ぐにお湯が止まるよな」


「ほんとだよな。秋雄みたいに煩わしいぜ」


桶に、ここで貰った黄色のタオルを入れ、蛇口のボタンをムキになって何度も二人で押していた。


たまに動作が被ると、顔はあまり似てないけど、兄弟なんだなぁと思う。


「秋雄みたいってどういうことだよ? ほら、背中流せ」