暖簾の外は、飲食店や遊び場だった。中心には盆踊りで良く見る櫓があり、そこから提灯で彩りよく飾られていた。


水風船を手にぶら提げているカップルや、フランクフルトを歩きながら食べている男性、スパーボールを釣っている子供……お祭り騒ぎだった。


「楽しそうだな。後で射的やろうぜ? 好きなんだよなぁー! 景品は大したものはないけど」


「射的ってピストルだろ? 危ない! そんなの駄目、駄目! 別なもので遊んでくれ! さぁ風呂に行くぞ」


秋雄の背中を押し、暖簾の向こうへまた戻した。


「危ないって、コルク詰めて打つだけじゃないか? 子供でも遊んでるぞ?」


「お前は駄目! 大人しくサウナにでも入っててくれ」