「かしこまりました」


女性店員は、にこりとすると浴衣を取りに行った。


「秋雄さんったら、ピンクに似合わない浴衣の色を選ぶんだから……赤だったら、私達の方が目立っちゃいますね!」


「そ、そうかな?」


店員がカウンターに戻り、浴衣を差し出した。


「お待たせしました、こちらをどうぞ。男性は左手、女性は右手に行くと更衣室がありますので。いってらっしゃいませ~」


勝ち誇った顔を秋雄に向け、絵恋には笑顔を向けた。浴衣を店員から受け取り、バックプリントに目をやった。


――こ、これは! 金太郎の模様!


「俺もそれがお前に似合っていると思うよ? ……くくくっ。早く着替えに行こうぜ! 絵恋、出口で待ち合わせな! それじゃ後で」


「はい!」