「そのつもりだけど?」


秋雄はそっけなく即答した。そんな夫を尻目に、絵恋は庇うようにワントーン上げた。


「エステって結構時間を費やすものなんですよ。お風呂入って、お酒飲んで……遊ぶ場所もあるんで、きっと飽きませんよ」


「ふぅーん。そうなんですか……」


――温泉三昧か。まぁ、風呂場なら裸だし、凶器も持てないだろう。少しは安心かもな。


「信介さん。フィッシュスパに一緒に入りましょうよ!」


「なんですか、それ?」


「小魚が沢山泳いでいる所に足を入れると、皮膚の古い角質を食べてくれるんです。踵がつるつるになりますよ!」