拾い上げ、椅子を引き、深く腰をかけた。


トーストを千切って、バターを手早く乱雑に塗る。口に銜え、折りたたんでいた新聞を広げた。


――昨日の事件の詳細、載っているのかな?


一面には、それらしき人物名は載っていなかった。次のページを、ガサガサッと捲り、細かい字を上から目で追った。


だが、やはりターゲットの名前は書かれてはいなかった。次々と薄い紙を捲りあげ、確認するがやはり、その文字は無かった。


どういうことだ? ……遺体は見つかってないのか?


時間の経ったパサついたトーストを飲み込み、冷えたコーンスープで流し込んだ。


――でも、終了ってことは、死んだんだよな?


しかし、ハイドの制裁というのは何なんだ? 時間に関係があるのか? かなり幕引きが早かったよな。