「美零、だよな?」

急に名前を呼ばれた。

周りの群衆は一斉にこっちを向く。


「は・・・?」

ポカンとなる私。

ざわつく群衆。

何だ、この状況。


「あ、いや、ごめん。

初対面の人に急に呼び捨てとか」

さっきと違う反省した表情で

私に謝った、羽崎。


-この時覚えた謎の引っかかり。


「あ、うん。別に・・・」


キーンコーンカーンコーン

授業始まりの合図がなった。