パート泡姫

１

風俗ってやつは、
夜のイメージが強いだろう。

私が起きるのは朝７時

旦那を見送り、
子を幼稚園に送り、
一息ついたら
自分の身仕度をして
自転車をこぐ。

自転車で１０分弱

日本一有名な遊廓街がある。

台東区千束

吉原があるところだ。

近くには幼稚園や学校もある、
自転車に乗っている私を
誰も泡姫だとは想ってないだろう。

大学生活中、
アルバイト感覚で
店舗型の学園イメクラにいた。

卒業し就職し、
３年務めた会社を出産代謝したのは
もう２年も前になる。

悠理を産んでから、
私ら夫婦は
すっかりセックスレスになった。

旦那に不満は無い。

唯 私だって女だ、
恋愛もセックスもしたい。

かと言って、
不倫はしたくない。

恋を始めるにはエネルギーがいる、
愛情とはちょっと違うが
旦那を裏切る気は無い。

私なりに
彼を想っているから、
外に愛情は求める気が無い。

私にとって吉原勤務は
パートのようなモノだ。

１２時～１６時受けの早番、
４時に仕事がつけば
帰りは６時になるが、
自転車を飛ばせば
悠理のお迎えにも間に合える。

建前は入浴のお手伝いо

エッチな事なんて有り得ません、
ただのお手伝いなんですо

あくまでも建前で
入浴のお手伝いという名の
擬似恋愛のようなセックスをして、
私はサービス料金を貰うо

『特殊浴場』

周囲には
学校や幼稚園や公園、
商店街まであるのに、
駅から離れた一角は
ソープ街になっている不思議な街о