ふわりと頭に体温を感じる。

あれ……もしかして、頭、撫でられてる?


びっくりして顔を上げると、優しく微笑む表情がすぐ目の前にある。


「怖かったの?」


怖くなかったと言ったらウソだけど、私のバカさも、和希くんの優しさも、全部が痛くて。


「……ちょっと待ってて」


そう言って彼は黙り込んだ私を置いて、どこかへ行ってしまう。

寂しいような、ちょっとほっとしたような気持ち。



いつもは考えないようにしているけど、片想いって、辛いなぁ。


撫でられた部分が熱をもっているみたいに、ずっと温かくて、いつか私に触れた彼の指もこんな風に温かくなればいいのに。