「大丈夫?ちょっと座ろうか」


和希くんは建物の裏の非常階段に私を座らせてくれて、心配そうに顔を覗き込んでくれる。


「紙テープ切れちゃった……」


「ああ、まあ仕方ないな」


和希くんにとっては、仕方ない、で済むことなのかもしれない。


だけど私は……バカな私には、"運命の赤い糸"みたいに思えた。

それが例え、脆くて、頼りなくて、すぐに切れてしまいそうなものだったとしても。


やっと少しだけ近づける、その1つの象徴のように思えたのに。




ポツポツと、制服のスカートに丸いシミができていく。


「……佐々木?泣いてるの?」