「後ろは見ない方がいいよ」
そう言われると人間っていうのは見てしまうわけで。
「え?なになに?…………っ?!ひやぁあああああああ!!」
「走る?」
私はうなずくのが精一杯。
後ろからは、やたらマッチョなジェイソンやらゾンビやらが追いかけてくる。
死ねる。この恐怖は死ねる。
……それから、私はパニックすぎて途中をまったく覚えていない。
気が付くと出口の明かりが見えていた。
安心すると急に繋いだままの手に意識が集中して、違う意味でドキドキが止まらない。
「あの、和希くん。えっと……って、ひやぁあああ!!」