『ねぇ、あき』
「ん?」
『最近仕事どうしたの?』
ケイトと出逢った日から
私は仕事に行かない事が
多くなった。
きっとナンバー1に戻る事は
無理だと思う。
疲れてしまったんだ。
実家を出てきて、
まわりに知り合いもいない私は、1人でがむしゃらに仕事に没頭していた。
だからハブにされたって、気にならなかった。
だって1人だったから。
でもこの街で
私は知ってしまった。
人の暖かさ。ケイトを。
それからというもの、
あれだけ頑なに守ってきた
ナンバー1の座も
どーでもよくなった。
女の子達のイヤミにも耐えられなくなった。
疲れてしまったんだよ。