私はその日、一晩中泣き続けた。


泣いても泣いても涙が止まらなくて溢れる思いが止められなかった。




それを佑月に伝えなければならないということも私にとってつらいことだった。



「うッ....うぅうッ......」


静かな病院に泣いていることを気づかれたくなくて声を押し殺すのに、ついつい嗚咽が漏れてしまう。








ーコンコン


そのとき、病室のドアが控えめにノックされた。


ビクリと身体を引きつらせた私はドアへ視線を向けた。


入ってきたのは、昼間会った医者の先生だった。

泣いている私を見て「やっぱり泣いてたか。」と言った。




夜勤なのだろうか。
今は深夜を回っている。


「乃伊ちゃん、きっと大丈夫だよ。」

そうか、この先生は私を慰めに.....



「手術するとなると相当な覚悟がいる。手術してから、治療もあるしね。でも、今からきちんと治療していけば、ちゃんと治る。泣くことじゃないよ」


「そう...ですか.....。」



あれだけの痛みがあったのに治るのか...私は少し期待を膨らませたがその反面、不安がたくさんあった。