目を覚ますと、薬品の匂いが鼻をついた。



左腕には点滴の針が刺されており、指輪はついたままだった。


見慣れないベッドに横たわる私はベッドからむくりと身体をおこした。


するとガラガラとドアが開き、看護師さんが入ってきた。




そこでここは病室なのかと理解した。


看護師さんは「やっと起きましたね。身体は痛くないですか?」と笑顔で声をかけた。



やっと...起きた?


私はどれくらい寝ていたのだろう?


「身体は痛くないです。」


私はそう答えると質問をした。

「私はどれくらい寝ていたんですか?」




「3日間ほど寝ていました。その点滴は栄養剤ですね。」



3日間も?



私にはその感覚がまるでなかった。



「.....先生から診断が出ましたので聞いていただけますか?親御さんも呼んでおきましたので、もうすぐいらっしゃるころかと....」


看護師さんがそう言っているときに病室のドアが開き、お母さんとお父さんそれから双子の姉の乃亜が入ってきた。



乃亜とは二卵性双生児で顔も性格も比較的似ていない。