暖かい…
それに何だかいい匂いがする
落ち着くような
軽くお辞儀をして私はゆっくり自転車をこいで帰って行った
帰る途中頭に浮かんだのが上着はどうやって返そうとか
あの少年はどうやって来たのかとか…
そうだ
あの少年はいったいどうやって
そういえば自転車は私の以外なかったし
歩いて…なんてのは無理だ
あの海岸の周りには当然家がある訳でもなく
家が近いとしても自転車で20分はかかる
行こうと思えばいけるけど、こんな夜遅くに歩いて海岸まで行くだろうか
車とか…いや…絶対にあり得ない
もしや幽霊!!?
考えるのやめよ…
もう会う事はないと思うし
でも、会えないと思うと少し残念な気もする
あんなに綺麗な顔の人みた事がないし
私はどこかでまた会いたいと願っているのかもしれない
名前聞いとけばよかったな…
私は深いため息をついた