「やっぱり…何だか情けないよね。男が泣くなんて」

「ううん。男とか女だとか関係ないよ。誰にだって感情はあるし、辛くなったり悲しくなると涙は流れるものだよ」


そこまで言うと私はハッとした


何言っちゃってんの私!?

こんなんじゃ励ましにもならないよ…


「ありがとう…そんなふうに言ってくれるなんて思わなかった」


わ…笑顔が綺麗


「いえいえ!滅相もない!ゴメンね…何だか偉そうに」

「偉そうじゃないよ。凄く嬉しかった」


良かった…

何か人に喜んでもらえるのっていいな

凄くいい…


私と少年は星空を黙って見上げた


「もうそろそろ帰らないとね…家は近く?」

「うん、だから自転車で走ってきた」

ハハッと軽く笑いながら自転車を指差す


「自転車で?それは大変だ…もう遅いし」

「大丈夫だって!これでも私けっこう体力あるから」


そう強がってみてもやっぱり寒い

気分転換に出てきただけだからパジャマだし


「そう…それじゃあ気をつけて帰ってね。」


フワッ


え…?上着?


「やっぱり風邪ひいたらいけないからね」


「え…でも…」

「いいから」