「翔くん、ありがとう……でも冷夏さ……」
「知りたいんだ!!冷夏の抱えてるもの、全てを!!」


気付いたら、俺は車の中で大声を出して冷夏の手を握っていた。



“れ、れいか……”



冷夏の目から涙が一粒だけ綺麗に流れた。



こんなにも綺麗な泣き方をする人なんてドラマの世界しか見た事がない……



たった一粒の涙だけが頬をつたって、唇を噛み締めていた。



「嫌いになんてなるかよ、そんな中途半端な気持ちだと思うか?」



「………」



「冷夏を愛してる」



震える肩をおもいっきり抱き寄せ、泣き続ける冷夏の頭をずっと撫でながらも、



俺も涙が零れ落ちていた。