俺は静かに、俺と冷夏の距離を妨げる布団と取った。


冷夏を好きになればなるほど、愛すれば愛すほど、俺は冷夏の全てを求めたくて……全てが欲しくてしょうがなかった。



「冷夏……」

「んっ??」


目の前にある冷夏の顔にさえドキドキしながら俺は冷夏の服に手をかけた。



「ちょっと待って!!」


その瞬間、冷夏は俺の手を払いのけた。

冷夏は俺に抱かれることを拒否した。




全てを拒否されたみたいで俺が触れてはいけないような、そんな感覚を知らされて、俺は冷夏から離れ座り込んだ。



「ごめん、ごめんな」

「ちがうの……」

「いや、いいよ。もう二度と触れないから……」


「だから、違うんだってば……」


「俺もさ、男だから冷夏を抱きたいって思うんだよ、でもごめんな、今度冷夏に触れたらひっぱだいてな」



上手く笑えてないのなんて分かってた。



ただ、精一杯の笑顔を俺は冷夏に見せたつもりだった。



このやりきれない気持ちを俺は冷夏にあたすしかなかった。