「お前、本当に可愛いな」


「翔クン、本当にかっこいいな」



「ばか」



「アハハハッ♪」




なぜだろう?



なんで今頃……
出逢ってしまったんだろう。



笑い声だけが響き渡る俺の部屋で、



現実は二人の幸せな時間を引き裂くかのように……



時間だけは止まることもなく、だんだん過ぎて行った。




冷夏の止めてくれた時計だけが少しだけ



現実から目を潰らせてくれた。




「いや〜だぁ〜!!」



「あちぃーの!!」



俺達はなぜか、お互いにベッドに変な意識を持ち……


触れる事に躊躇して


ベッドの下で二人で寝転がって掛け布団を掛けながらテレビを見ていた。



「冷夏は寒いの!」



クーラーの温度を下げようとしている俺のリモコンを奪い取った。



「布団掛けてるくせに」



「じゃあ翔クン布団掛けなければいいじゃんよー!」



俺から布団を取って包まった冷夏の布団を引っ張った。



「これ、俺の……」



「やだ!この布団気持ちいいもん!!」



本当はクーラーの温度も布団もそんなのは、どーでも良かった。




ただ楽しい時間を冷夏と過ごしたかっただけだった……